「山に向かい…」【「風のように」展示作品】 [2014年1月「風のように」]
山に向かい遠い目になる桜桃忌
2013年6月 芦野公園(五所川原市)
水彩 F10
ミクストメディアじゃないのは、珍しく水彩しか使っていないからです。
この大きさ(A3より少し大きいくらい)になると、水彩絵具だけでも仕上げやすくなります。
まあそれはともかく。
俳句風タイトルの「桜桃忌」というのは太宰治の忌日、「山に向かい〜」は、絶筆『桜桃』の冒頭にある詩編(聖書)の言葉をもってきました。
(われ山にむかひて目をあぐ わが扶けはいづこよりきたるや)
ベタベタの忌日俳句風で、苦笑された方も多かったのではと推測しています。
桜桃忌の金木に行ってみて、山は岩木山とかじゃなくて、こういう津軽の低くなだらかな山じゃなかったのかあと思ったのでした。
でも、『桜桃』が書かれた頃には太宰治は三鷹に住んでいたわけで、目を上げて見るような山などなかったかも。
それでも、天気のいい日には三鷹の跨線橋から、秩父か丹沢か、山のシルエットが見えていたかも。
…と、私の空想は続くのだった。
やはり東京に住むには、電車など身近なものを好きになり、観賞する感性を身につけるのが健康上良いと思われます(爆)。
私は悩んだりしながら芸術を極めるとか無理w
↓芦野公園F10のシリーズです。