辨天娘の会@リカーズのだや その1(酒) [2014年店舗での展示]

第118回 のだや酒の会「辨天娘の会」(会費制/要予約)。
リカーズのだや

今回は、「辨天娘」というお酒を作っている鳥取県若桜町の太田酒造場から、太田章太郎さんを招いての日本酒の会です。


若桜町で作った酒米のみを使用している小規模の蔵で、東京にはあまり流通していないそうです。
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酒スキルが弱い私は…初めて見るかも。

はっぴを着ているのが章太郎さんです。
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「酒は農作物、酒造りは農業の延長」とおっしゃる章太郎さん。
自ら酒米作りも行ない、「お米を大切に、しっかりと醗酵させる」という考え方で酒造りをしているそうです。

そして、また、絵を飾らせていただきました。
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今回は、絵のサイズを小さくし、位置も高くして、壁に寄りかかりやすい展示にしてみました。
(絵は「その2」で改めてご紹介します。)

本日のお酒。
辨天娘の中から、「玉栄」「強力」それぞれの酒米を原料とするものを飲み比べます。
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みんな似た顔で、、、、三鷹電車区みたいです。
中央線ファンのみなさまお待たせしました?!

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今回も、ほとんど飲めなくてお酒経験値の低過ぎる私が、お酒を中央線に例えます。
自由すぎ、かつ意味不明気味な感想になりますが、ご容赦いただければ幸いです。

まず、乾杯は
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辨天娘 純米生もと 強力 生にごり酒25BY を冷で。
生もと(きもと)=醸造の方法
強力(ごうりき)=酒米の品種名
25BY=平成25年冬醸造(BY=Brewery Year/醸造年度 7月〜翌年6月)

さらっとしていますが旨味が多く、いい意味で軽さがあって食欲を刺激する味です。
なんて贅沢な乾杯!と思いました。

この味を中央線に例えると
「立川駅に8時集合の絶対に遅刻できない仕事があるので、大事をとって6時45分くらいに新宿駅を出る快速に乗車するつもりで12番線ホームへ。そしたらちょうど中央特快が来て、座れた。そして、何も起こらなかったため7時14分には立川に着いてしまった気持ちのいい朝。」

にごり酒とにごっていないお酒の味の差は、E233(快速のオレンジ帯の電車)とE231(黄帯の各駅停車の電車)みたいな感じなのかな。


次は
辨天娘 純吟23BY玉栄 燗(65℃)

純吟=純米吟醸
23BY=平成23年冬醸造
玉栄=酒米の品種名

辨天娘のお酒は、お燗がオススメ。
お燗専用のマシンで65℃の熱燗にして、冷めていく段階で、味わいの変化を楽しみます。
温度によって、こんなに味が変わるんだなあ〜と
量は飲めなくても、こういう楽しみ方ができるというのは発見でした。

中央線に例えると
「自宅から飯田橋まで地下鉄で行った。帰りはなんだか違う経路が使いたくなって中央緩行線で中野まで行ってバスと徒歩で帰った。トンネルあり、切り通しあり、高架あり、東京の地形っておもしろいなあ。乗り物もいろいろ来るしね、さあ明日もがんばろう。」

同じ銘柄の酒米でも生産者によって味は違うので、
太田さんのところでは米の生産者ごとにタンクを分け、ブレンドしないで出荷しています。
なのでこのお酒をもっと細かく言うと
「純吟23BY玉栄の7番娘(契約農家・山本さんの米)」(7番娘=タンク名)
ということになります。


次は、のだやの佐藤さんが個人的に寝かせてあったという
辨天娘 純吟17BY玉栄 燗(65℃)
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23BYに比べ、味はかなりまろやか、色も濃かったです。
まろやかと言っても、甘くベタベタするような感じではなく、あくまでかたくてスッキリ。
若いまま濃くなり、脱皮して柔らかくなったような感じです。

中央線に例えると
「先ほどの23BYがE231なら、17BYは209。」
同じ銀色の「走ルンです」でも、興味を持って見れば&乗れば、差ははっきりとわかりますよね、そんな感じです。


辨天娘 純米強力24BY 燗(65℃)
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これは新しいお酒ですが、寝かせたような色がついていました。
味は端麗な甘さの中にピリリ感があり、若々しい感じがしました。

中央線に例えると
「吉祥寺の駅ビルってあの古さがよかったのに新しくなっちゃって残念、と思っていたけど、井の頭線側のベンチがあるところからスタバ越しに見る緩行線ホームっていいよね。」

辨天娘の杜氏さんは農家出身で、酒米作りもする方。
普通なら絞るタイミングでも「酵母が醗酵したがっているからもったいない」と、絞らずに様子を見るそうです。米を最後までしっかり熟成させる、という考え方が、辨天娘の「かたいうまさ(お客様評)」につながっているのでしょう。

「強力」は長期熟成させないとおいしくならないタイプの酒米だそうですが、このような考え方をする辨天娘では早い段階から飲めるそうです。
お客様が、他の蔵だと「強力」より「玉栄」の方がやさしいイメージがあるが、辨天娘はそうでもないと話していました。
正直、私には酒米の差がわかりませんでした。エロい味よりわかりません(笑)。
というか、この日初めて、酒米について考えたかもしれません。わかる人にはわかるのかな?


辨天娘 純米玉栄24BY 燗(65℃)
はっきりした味で、一口目は水のようにさらっとした口当たりでしたが、
二口目、三口目と進むにつれて、少し渋みがあるような、個性的な味わいになってきました。

中央線に例えると
「単なる仕事の移動で三鷹から千葉までE231系900番台に乗った。代々木のあたりから楽しくなってきて、飯田橋-市ケ谷-御茶ノ水では外堀の景色に今更ながら感動。遠くに行くだけが旅じゃないよね。」


最後は
辨天娘 純米生もと24BY玉栄 燗(65℃)
「生もと」というのは、今年になってのだやさんと知り合ってから覚えた単語です。
うまく説明できないですけど…昔ながらの手の込んだ醸造方法で、濃厚な味がします。
そして覚えたことは「生もとっていう作り方のお酒は私にも飲めるらしい」ということ。
いいコトを教わりました。
でもレアなお酒で、普通の居酒屋にはないみたいです。

中央線に例えると
「レア編成“E231系900番台外部スピーカー付き”が三鷹-武蔵境間の地上から高架に行く坂の脇に留置されてた!見ただけでテンションup!!3人くらいしかわかってくれないけどまあいいかw」


6月のタテノコレクション2014(ヴァンナチュール)が、ラベルデザインからして個々の違いを主張していたことに対して、
辨天娘は見た目の主張が少なく、ウンチク的にもシンプルで、繊細な味の違いを楽しむ会になりました。

そういった意味では、E231系電車の軽快さと細かすぎる個体差は、とても辨天娘的なのかもしれません。
たとえのおもしろさはイマイチな仕上がりですけど、このくらい微妙だったというニュアンスが伝わればうれしいです。
おつきあいありがとうございました。

余談ですが...
おちょこ6杯という許容量を越えた日本酒を摂取した私でありましたが、翌日には全く残りませんでした。
本当にいいお酒です。

おみやげに、手ぬぐいをいただきました。
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のだや佐藤さんには前掛け。かっこいいなー。売ってないかなー。
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つづく。


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次回、8月の「のだや酒の会」はIPA(インディアペールエール)ですが、すでに満席でキャンセル待ちになっております。
今月は数件キャンセルが出ていましたので、興味のある方はキャンセル待ち登録をおすすめいたします。
↓情報はこちらでチェック。
リカーズのだや

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谷中・よみせ通りの酒屋さんです。

【のだや酒の会 過去記事】
5月 フレデリック・コサールの会
6月 タテノコレクション2014(ヴァンナチュール)

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