ヴォーリズを訪ねて近江八幡へ(4) [建物と街並み]

さて。
ヴォーリズ記念館の予約時刻が近付いてきたので、足早に古い建物を見ながら移動します。

白雲館です。
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明治初期に、学校として建てられました。
教育熱心な町だったことがうかがえます。
今は観光案内所と物産館になっています。
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こちらは、旧八幡郵便局です。
ヴォーリズの設計です。
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ぼろぼろだったものを、地元のNPOが整備し、保存・管理をしています。
ここは元特定郵便局で、現在も郵便局を経営(?)していた一般の方の持ち物になっているとのことです。
いい形での保存が続けばいいなと思います。

帰りに寄ったのですが、中は骨董店というかフリーマーケットというか、お店になっていました。
特別に、通常非公開の2階も見せていただきました。
2階はひとつの大きな部屋になっていて、昔は電話の交換が行われていたそうです。
実家の近所にあった古い消防分団の2階みたいで、とても懐かしい空間でした。

そして、いよいよヴォーリズ記念館です。
昭和初期から晩年まで、ヴォーリズ夫妻が住んでいた家です。
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ここは、資料だけいただいて何度か描いたことがあり、そのたび「もっとまともな写真はないのか?」と思っていました。
しかし、来てみてわかりました。
外観はこの角度しかありません(泣)。

中は撮影禁止でした。
見学は完全予約制で、一日4回、1回につき定員が15人くらいという狭き門(?)です。
入ると、ヴォーリズ夫妻が住んでいた頃から家具もそのままという広間に通されます。
そして、見学が可能なのはそこだけです。

最初、20分くらい、ヴォーリズの生涯や近江兄弟社についての映像を見ます。
その後は、部屋の中を見学します。
ヴォーリズが書いたお習字や掛け軸、使用していたピアノ、蔵書などがリアルに存在していました。

こう書いてしまうと、シンプルすぎる見学のようですがかつて生活があった空間のオーラは説明不要です。
ああ、来てよかったなーとしみじみ思いました。
今までピンと来なかった心斎橋大丸や山の上ホテル、そしてさっき見てきた近江八幡市立資料館のそっけなさを、感覚的に理解できました。
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この建物で一番感動したのが、網戸です。
写真ではわかりにくいですが、ほとんどの窓に網戸がついています。
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そして、玄関のドアにもおしゃれな網戸がついていました。
なんてすてきな和洋の競演!!

そして、目的の『失敗者の自叙伝』もめでたく購入できました。
こちらの展示や解説も、さりげなく、しかしはっきりとキリスト教色があり、ちょっと驚きました。
すごいな近江兄弟社。

「住まいの環境が人を作る」という考えの元、簡素で機能的で健康的な家を設計したヴォーリズ。
自分の住まいの環境を顧みると...........やっぱり、建築に興味を持つってけっこうつらいです。

掃除しよう。
続く。

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