京都の近代化と蹴上(4終)琵琶湖疎水記念館 [建物と街並み]
インクラインの一番低いところには、船溜まりだった池があります。
その脇に、琵琶湖疎水記念館があります。
入場は無料です。
ここは、開館20周年となった昨年の10月に、展示をリニューアルしたようです。
とても充実し、オリジナリティのある展示内容で、中は撮影禁止でした。
行ってくださいとしか言いようがありません。
近代の土木に興味のある方には、超おすすめです。
リーフレットなどは、こちらからダウンロードできます。
琵琶湖疎水記念館のご案内/京都市上下水道局 総務課
図録を買ってきました。
少し余談になりますが、展示の中で美術的に楽しめたのが、琵琶湖疎水の工事を記録した二人の絵師の作品です。
一人は狩野派(バリバリの日本画)、一人は洋画家(ミレーみたいな感じ)なのですが、デッサン方法がはっきり違うのです。
狩野派はアウトライン、洋画家は「面取り(アウトラインを描かないで、影を面として塗っていくデッサン)」。
明治の初めに、和洋の表現方法が公的な記録として混在していたということは、ちょっと意外でした。
額に入れて美術館に飾られる役割の絵ではなく、現在で言うと記録写真に近い役割をした絵ですが、
とにかく、うまい!
わかる!
保存がいい!!点数が多い!!
これらの記録絵とか、絵図(地図)、文書などを見ていて、琵琶湖疎水は「工事の記録」という面でも気合いが入っていただろうと推測できます。
それが、天災や戦災にあわないで、いい状態で残っているのでしょうか?(推測ですが)
琵琶湖疎水の工事には、並々ならぬ京都の意地とプライドがかかっていたことが伝わってきました。
それから、館内に子ども用の琵琶湖疎水の映像があったのですが(約30分)、疎水を船で通ったり、空中から見たりと非常におもしろかったです。
そんなわけで、堪能してまいりました!!
また行こう。
高速バスの本は、今週末には発売予定です。ワクワク♪